アートノト │ 東京芸術文化相談サポートセンター

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アーツカウンシル東京

2022年度

五十音順
掲載内容は2022年時点のものです。

芸術文化創造活動の担い手のためのキャパシティビルディング講座2022年度

石井裕太

いしい・ゆうた

株式会社電通PRコンサルティング サステナブル・トランスフォーメーションセンター 部長/アートマネジメント

■受講を終えて

「アートは誰のものか」と「スポーツは誰のものか」という問いはよく似ている気がする。僕の答えは両方とも「みんなのもの」なのだが、この40年ほどスポーツは「だれかのもの」だった。それは“協賛”というビジネスモデルがあまりにも良く出来ていたからだ。でも「がんばれ!ニッポン!」と言うだけでお金が必要だということに違和感を覚える人が少しずつ増えてきて、この度のオリンピックで一気に噴出した。アートがスポーツと同じ轍を踏まないようにするためには、例えば一部の人や企業だけが賛同して協力する“協賛”ではなく、みんなが参加して協力する“協参”へと定義と仕組みをアップデートする必要があるのではないか。受講を終え、アートや社会を持続的に発展させていくために、新たな参加のあり方を考えてみたいと思うようになった。

■レポートタイトル

100年後も「選ばれ続ける劇場」をともにつくる。
~富山市芸術文化ホールの取り組みを事例に~

石松 豊

いしまつ・ゆたか

フリーランス ディレクター 、Gerbera Music Agency ブランドソリューション 事業部長

■受講を終えて

2022年は家庭の事情もあって企画イベントの数を制限した年だった。その隙間時間に本講座に通い、ずっと悩んでいた「お金」の話について、音楽に限らない様々な分野を通して学びを得ることができた。
講師・キュレーターの話や受講生とのディスカッションから毎回新しい視点の刺激を頂き、持ち帰った問題提起を参考文献や実体験を踏まえて深め、そして半年を経て「なぜ自分はイベント企画を続けたいのか?」という問いにも答えられる状態になった。
「お金」についての自分なりの解決策にも辿り着き、自分が行う音楽イベントが社会にとってどういう価値を持っているのか、自分はどういう姿勢で音楽イベント企画を続けていきたいかも明確になった。時間をかけて自分の言葉で整理することができた貴重な体験に感謝を伝えたい。ありがとうございました!

■レポートタイトル

“非営利DIY音楽イベント”を継続していくための思考と戦略

井上 遼

いのうえ・りょう

独立行政法人国際交流基金 映像事業部映画チーム 主任

■受講を終えて

わたしたちが暮らす社会や、わたしたちが享受する文化芸術、そうした社会や文化を下支えしている制度も、すべてはだれかの善なる意志によって、現在に至るまで長い時間をかけて徐々につくられてきたのだという、ごく当たり前のことをあらためて身をもって感じ入る機会になりました。現状で良しとせず、それぞれの分野と作法で、ほんの少しでもより良きほうへと何かを変えようとする情熱に満ちた皆さんとご一緒できたことは、わたしにとって本当に幸運なことでした。わたしもそうした終わりなき闘いに参加するひとりの人間として、これからも講義を通じて知り合った皆さんの顔や言葉をときどき思い起こしながら、自分にできることを考え続け、実践に移していきたいと思っています。本当にありがとうございました。

■レポートタイトル

「映画館」の国際文化交流に向けて

大貫はなこ

おおぬき・はなこ

株式会社早川書房 編集部(演劇担当)、東京大学大学院 人文社会系研究科在学中(文化資源学研究専攻)

■受講を終えて

出版社という組織にとらわれず、もっと広い視野で文化のことを考えたいと思い大学院の門戸を叩きましたが、仕事の悩みは深まるばかり。そんな折、Twitterでアーツアカデミーのことを知りました。「非営利の芸術文化創造とは何か?」というテーマは、営利企業に所属しながら芸術文化を担っていくことへの葛藤を抱えた私にとって、喉の奥につかえた違和感を発見するためのアプローチになるのではないか—そう考え、この講座に応募しました。受講を終えた今、「営利」や「非営利」は関係なく、文化芸術への「志」ひとつあれば、どのような領域や専門分野の方とも、お互いの敬意に基づいた対話は可能なのだと確信しています。今後、折に触れてきっと立ち返る、心の拠り所となるような大切な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

■レポートタイトル

批評の公共性を考える

荻山恭規

おぎやま・ゆきのり

公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団 芸術文化振興課 主事 演劇事業担当

■受講を終えて

別の業種から芸術に関わる仕事に移ってきたのが5年前。のんびりと芸術を支える仕事に従事する予定だったのですが、気が付くと8時間に追われながら現場を渡り歩く生活を送っていました。必死に戦ってきた結果、それなりに戦うための筋肉がついてきたのですが、現場にあわせた、あるいは、自分の特性にあわせた偏りのある筋肉になってきており、それで良いのかなと悩んでいました。受講を終えた今、そこに集まってきた色々な方々の個性豊かな筋肉を目の当たりにし、こういう筋肉を自分もつけたいという欲が出てきたのと同時に、足りない部分は助け合えば良いのだと思え、少し気が楽になりました。この講座で共有いただいた知識が、業界にかかわる人たちの共通言語になっていくと、もっと楽に、もっと質の高い仕事ができそうだなと感じました。

■レポートタイトル

演劇を続けたい人が各々の演劇の続け方を試す環境をつくるために、なぜあんなに演劇が好きだったあの人が演劇を続けないことにしたのかを考える

今野誠二郎

こんの・せいじろう

アーティストランレジデンス「F/Actory」 代表 、2022年から山梨県富士河口湖町に新拠点を準備中

■受講を終えて

皆さんの発表を聞き、「解決されていない問題多いなぁ」と素直に思いました。これだけ素晴らしい人たちが、これだけ骨身を削っているのにも関わらず、業界全体も、個別具体の問題も解決の糸口が見えぬほどこんがらがっている。そしてそれらは新出のものではなく、ずっとそこにあった問題たちです。ふと私の人生に現れてくれた月に一度のキャパビル講座は、戦い続けているプレイヤー同士が今立っているところを確認しあい、どうにか前を向くために機能していたように思います。諸講座はもちろんですが、自分はひとりではないと思える交流の場が私にとってはもっとも重要だったと思います。「少なくとも一歩は前に進んでいる」その希望を持って講座を終えることができたのは、一重に運営に関わってくださったみなさまのおかげです。ありがとうございました。

■レポートタイトル

「ひとつの場所・集まりをつくることだけでは充分でないあ」アーティスト・ラン・レジデンス「6okken」について

式地香織

しきち・かおり

コドモチョウナイカイ事務局 代表

■受講を終えて

山元圭太さんの講義では、「ファンドレイジングは、フレンドレイジング」という言葉が響きました。源由理子さんの講義からは、数字では表せない評価軸をどのように設定するのか、ステークホルダーとなる人々の間で議論することの大切さを学びました。坂倉杏介さんの「ゆるふわ」という概念に、持続可能性や包摂性などの観点から、コミュニティの本質を感じました。中村美帆さんの文化権をめぐる「自由権」と「社会権」、異なる2つの立場から見た「表現の権利」についてのお話や、片山正夫さんから「あなたの活動が社会支援を必要とする理由」についての問いは、「社会支援とは何か」という考察の大きな足掛かりとなりました。自分自身の課題に引き寄せて考えることで、どの講義も私にとって充実した経験となりました。講師や受講生、スタッフの皆様に感謝しています。

■レポートタイトル

コドモチョウナイカイからCOドモショウナイカイへ
成長や自己実現をたすけあうコミュニティを目指して

島田真吾

しまだ・しんご

countroomメンバー、合同会社きゅうり 代表社員、個人・任意団体及び法人の経理業務・助成金申請業務を行っている

■受講を終えて

芸術文化業界の経理の仕事を始めて3年、様々な場面で孤独を感じ、「仲間が欲しい!仲間と出会いたい!」という叫びのような思いを抱き駆け抜けてきました。受けたかった2021年度の応募には間に合わず、2022年度は絶対に絶対に受けるという強い意志を持ち、毎日アーツカウンシルのサイトをチェックし、この度応募させていただきました。1年越しの本講座では、豪華な講師陣による驚きと発見の連続の毎回の講義で、この1年間新たな刺激をたくさん頂きました。仲間と出会えたのかな、どうだろう。でもたくさんの個性豊かな同期の皆様と話せたあの時間は、私にとっての宝物です。小川さん、若林さんをはじめ、運営に関わってくださったスタッフの皆様、関係者の皆様、そして出会ってくださった同期の皆様、本当に本当にありがとうございました!

■レポートタイトル

「経理版ジムジム会」を開催し、リアルなアートプロジェクトの経理のもやもやを共有・解決
事務局により経理のためのジムのような勉強会

佃 直哉

つくだ・なおや

劇団かまどキッチン 主宰 、企画制作|ドラマトゥルク

■受講を終えて

演劇を続けていく上で避けては通れない「営利:非営利」の問題に真正面から向き合うことができる貴重な機会でした。講座の受講前に抱いていた悩みのうち、解決したものは決して多くはありませんでしたが、学んだことを軸に向き合い続けていくつもりです。異なる経歴や考えを持つ方と未整理なままの思考や意見をディスカッションで共有し、自分一人では得られない結論を得られた講義もありました。皆様、本当にありがとうございました。

■レポートタイトル

一度営利から考える小劇場界における慣例の考察と価値創造の想像

土山里菜

つちやま・りーな

STAND Still東京 役員、STAND Still 代表

■受講を終えて

この講座に参加できたこと、ファシリテーターのお二人、講師の方々、参加者の皆さん、事務局の皆様に出会えたことが私にとって宝物です。参加応募する際以前ファシリテーターの小川さんとお話出来る機会があった際興味深くもっとお話聴きたいな、知りたいなという想いが参加の最初の動機でしたがアート活動に携わって歴の浅い私が応募してよいか迷いました。しかし今参加出来たこととても感謝しています。この講座を受講して学ぶことが沢山あり私個人や団体の運営など漠然と悩むことも多く、受講したことによって団体運営に対しても私自身の成長にもとても実りある時間でした。これからも壁に当たることが多々あると思いますが、こちらの講座で学んだことを思いだし進んでいきたいと思います。ありがとうございました。

■レポートタイトル

知るということ

中村みなみ

なかむら・みなみ

株式会社アリー・エンターテイメント 制作部

■受講を終えて

コロナ禍により文化芸術をめぐる環境が大きく変化し、正解の見えない苦しい状況が続きますが、キャパシティビルディング講座では、講師の皆様より貴重なお話を伺い、また異なる分野で活動されている受講生の方々と意見を交わす機会をいただくことができました。ありがとうございました。

長谷川 結

はせがわ・ゆい

システムエンジニア 、書展検索サイト「墨客ぽっけ」運営者

■受講を終えて

書道業界に貢献するアイディアを構想しはじめたとき、考えが頭の中を巡り続け真っ暗な布団の上でフル回転する脳ミソに、あぁ…明日も仕事なのに…と少し呆れていたくらい次々と浮かんでは書き留めたiPadのメモ。あんなに色々と掘り下げて考えていたはずなのに、今そのメモを見返すとキャパシティ・ビルディング講座の充実度が実感できます。自分のやろうとしている事業の立ち位置、考え方に整理がついたし、やるべきことが明確に言語化できました。
衝撃を受けたのは文化権。すべてに意味を求めて、なくても生きていける芸術にどう存在意義をもたせるのか書道をやっている身でありながら書道芸術の存在の必然性を求め、頭がちぐはぐになっていた状態に少しヒントをもらえたような気がしました。参加させていただき本当にありがとうございました。

■レポートタイトル

「絶対うまくいかないよ」と言われてからがスタートです

望月花妃

もちづき・はなき

合同会社人間の条件、プロジェクトfemco.、雑誌『美術手帖』

■受講を終えて

全国各地から参加者が集まったことで同じ課題に取り組む仲間との出会いにも恵まれ、大変勉強になりました。労働問題、ジェンダーギャップ、ハラスメントといった課題解決をテーマにすることも考えましたが、何かが変わるのは「幸せを期待する時」だと思い、アプローチの仕方を変えました。文化芸術という共通点を持つ私たちは互いに理解し合い、業界だけでなく社会を変えていけると信じています。中間支援は機関という発想を超えた「支え合いの仕掛け」と位置付けました。そこでは今、生きづらさを感じている人たちも担い手として求められることと思います。恥ずかしながら、レポートをまとめきれないこと自体が、私の未熟さ、取り組むべきことを示してくれたので、宿題が山積みです。この場で励まし見守ってくださった皆さま、ありがとうございました。

■レポートタイトル

持続可能な表現を叶える環境整備#01
対話から生まれて対話を生み出す。
「男性たちのフェミニズム」展

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山田 心

やまだ・しん 

特定非営利活動法人芸術と遊び創造協会 法人部部長

■受講を終えて

神は細部に宿る。
受講中、この言葉を何度頭に思い浮かべたでしょうか。
ファシリを務めるお二人の気遣い、講師陣の丁寧かつ的確な質疑への回答、スタッフの方たちの声かけ。そのすべては、各受講生の目指す道を肯定してくれる、力強くあたたかな働きかけだったように思います。
細部まで心遣いに支えられた半年があったことにより、自らが目指したい未来像が明確になり、やるべきプロジェクトにまで落とし込むことができました。
私を含め受講生のみなさんの文化芸術テーマはどれも課題が山積みです。しかし、最終レポートを読むと、暗雲の先に晴れやかな空があることがわかります。まだ雲間からチラッと見えている程度ですが、そこへ辿り着くのが楽しみでなりません。
開催に携わったみなさま、そして同期の仲間に御礼申し上げます。

■レポートタイトル

東京を三味線が響く街にしよう
遊びとしての三味線文化の推進プロジェクト

吉岡律子

よしおか・りつこ

ritsuto design合同会社 代表 、アートディレクター、グラフィックデザイナー、アーティスト

■受講を終えて

「1つだけ美術館」を開館する上で、最良のタイミングでこの講座を受けることができました。思いきって香川から通って本当に良かったと感じています。往復の飛行機代も宿泊代も気にならないくらい多くの気づきをいただきました。講義をうけるたびに、うっすら自覚していた問題点が明確になり、整理することができました。また、参加者同士で話し合う中で、様々な角度からの意見に触れることもできました。今回のような本心を開示できる機会はとても貴重です。講座後の雑談で他の方が「もう一年受けたいくらい」と仰ってましたが、本当にそう思います。濃厚な学びの機会はあっという間に終わってしまいました。これからは、いただいた気付きを実践するべく腹をくくります。

■レポートタイトル

『1つだけ美術館』をソーシャル美術館にするために
―認知の輪を広げる計画書として―

喜羽美帆

よしば・みほ

箏曲演奏家、株式会社音羽クリエイティブ 代表取締役、東京都立晴海総合高校特別講師

■受講を終えて

この講座を知った時、まさに自分が求めていたものに出会えた!と運命のようなものを感じました。箏演奏家として活動する私にとって、衰退していく箏や和楽器、ひいては日本文化を再度盛り上げていくためにどうするかという壁に直面していたからです。これまでの受講生には伝統芸能分野の方が少なく、お門違いなのではと不安もありましたが、毎回錚々たる講師のお話に胸を熱くし、様々なジャンルの受講生の皆さんと意見を交換し合う時間は、その不安を吹き飛ばしてくれました。小川さんや若林さんの伴走、ACC職員の皆様の温かい声援、なんと贅沢な半年間だったかと思います。この経験により自身を今一度見つめ直せただけでなく、これからの自分の人生をどのように箏や和楽器の再興に捧げていくか、新たな活動の指針や方向性を見い出すことができました。

■レポートタイトル

「届け!のコトの音“ことどけ”」
~箏の音に触れる機会をたくさんの人に届けたい~

2022年度 芸術文化創造活動の担い手のためのキャパシティビルディング講座

活動報告書・課題解決/価値創造戦略レポート集

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2022年度アーツアカデミー / FY2022 Arts Academy