五十音順
掲載内容は2018年時点のものです。
▶ 芸術文化創造活動の担い手のためのキャパシティビルディング講座2018年度
新井まる
■受講を終えて
girls Artalkを立ち上げてから6年間仲間と一緒に手探りで走り続けてきたなかで、正直何度もやめようと悩んできました。
アート専門メディアなのに、代表の私がアートについて専門的に学んできたことがなく、学校に通うなども検討していましたが時間とお金に余裕がないのと、通うとなると現在の事業をストップしなければならないため、手近な書籍を読んだり、知人から教えてもらったり…などでここまで来てしまいました。
そんななか、アーツアカデミーの受講が決まり、立場は異なるけれど同じように文化芸術活動を盛り上げたい、社会をどうにかしなければという問題意識のもと真剣に議論できる仲間がいるという事実に感動すると共に、気持ち的にもとても救われました。
ちょうど新しい体制で新たなチャレンジをするタイミングだったので、初回の授業から学ぶことが多く、このような機会をいただけたことに心から感謝しています。
人生はご縁の連続だと思っていますので、アーツアカデミーでつながったご縁をこの先もずっと大切にしていきたいです。
本当にありがとうございました。
■レポートタイトル
こころの波紋がかさなりあう、豊かな社会をめざして
石田高浩
■受講を終えて
転職し7月から現職に就いたことで、行政の文化施策全般に対して考える立場、地域における文化活動の主体としての立場、2つの立場を兼ねることとなりました。私自身はアーティストでも文化芸術に関する専門を学んだわけでもなく、これまで地域の目線から様々な事象を理解し、ある意味既存の文化行政を使ってきたところもありました。今回のアーツアカデミーの受講は、純粋に文化芸術の分野から地域にアプローチする方々の考え方、それ故の悩みや難しさに触れるきっかけともなりました。より広い視野を持ち、地域と文化芸術、それを取り巻く環境との関係を見つめ直す機会を持てたことは、今後に向けて幸いでした。今回のご縁が今後の皆さまの活動の発展に繋がり、その輪に私も入っていると思うと嬉しいです。
■レポートタイトル
地域拠点プロジェクトの評価を通した地域アートプロジェクトの在り方の検討
―新潟市・水と土の芸術祭市民プロジェクトを事例として―
井上紗彩
■受講を終えて
この度は講座に参加させていただきありがとうございました。海外の事例や、アートとは違う領域の手法などを学ぶことができ、自身の視野を広げるきっかけとなりました。また、ワークショップ形式で学んだことを自分自身の活動に照らし合わせて考えることができ実践的でした。講義に加え、受講者との出会いも貴重であり、様々な年代とジャンルで同じような悩みを抱えている方々がいることがわかり、今後も横のつながりで情報やノウハウを共有していくことができると良いと思います。また、最終レポートを通じてこれまで点で感じていたり実践していたことを、今一度整理する良いきっかけとなりました。ぜひ、アーツカウンシルにもご協力いただきながら、戦略レポートに書いたことをはじめ具体的に実践していけたらと考えています。
■レポートタイトル
収益事業の冗長化で、アーティストを持続可能な職業に。
今井俊介
■受講を終えて
講義を受ける中で、自分が認識している以上に、自分の担当企画や劇場自体のビジョンが明確に描けていないことに気付かされた。目指す姿に対し、独自の評価軸を定めることで、ミッションが鮮明に見えてくるものであるが、目の前のものを回すことで精一杯という状況にある。自分の関わる部分を整理することのできる余裕を、意識的に作ることを心がけたい。
■レポートタイトル
30年度の劇場が、人々の「好き」が循環する、活気ある“場”であるために
大園康司
■受講を終えて
これまで漠然と課題に思っていた事柄が、リアルな実感を持って山のように降り掛かってきた、というのが受講を終えての最初の感想です。そして、自分がどの立ち位置にいるのかを改めて見つめ直す契機ともなりました。アーティストとしてこのプログラムを受講したからには、身の回りのアーティストたちに、シーン全体に少しでも働きかけて行くような仕組みをつくりたい。それがひいては、自らの活動のキャパシティをビルディングしていくことにつながっていくのだと思います。この講座で得たものを一過性の自分のものだけに終わらせず、アウトプットしていきたいと思います。
■レポートタイトル
これからの「コンテンポラリーダンス」に向けて
―シーンを支える仕組みをアーティスト自らがつくる―
小川まき
■受講を終えて
大学を卒業後は、ずっとソーシャルセクターでの仕事に従事してきました。しかし、芸術分野・演劇分野に関わり続けたいという思いは強く、2012年からシアタープランニングネットワークに参画しています。その中で、子育てとも平行しながら、関わってきている、思い入れのあるホスピタルシアタープロジェクト、このプロジェクトに、団体に寄与したい、その力をつけたい、それが本講座の受講の出発点でした。「ビジネスかソーシャルかライフか」、「課題解決か価値創造か」、「システムマップ」、「風光土水」受講期間に色々な問いを頂き、次のステップに向けてやるべきこと、そして自身の思いもクリアになった気がします。たくさんの問いを投げかけてくれた講師、運営の皆様、一緒に学んだ受講生の皆さまに感謝申し上げます。
■レポートタイトル
理事会へのファンドレイジングプランの提案について
小野 良
■受講を終えて
最初の挨拶の時に口から溢れた「壁」というキーワード。それはあまりに無自覚に出た言葉で、一体何が自分にとっての壁なのかを考えさせた。大学時代、何を理由にかの記憶はないが「自分を殺してでも他人に仕えよう」と決意した。10年程経った今でも決意はそのままだった。しかし、今目の前にある課題や問題から目を背けてまで他人の意思に仕えようとする自分に、自身の中で精神的な隔たりを感じた。それは紛れもなく「やってみたい」という意思と「やってはいけない」という意思の間にある大きな壁であった。アーツアカデミーはその壁を超える勇気を授けてくれた。「文化芸術を愛する自分を生かしながら他人に仕えたい」今はそう思う。自己啓発セミナーの感想みたいだが、確かに僕の目を啓いてくれたアーツアカデミーに心から感謝をしたい。
■レポートタイトル
劇団のネットワークの構築に関してのプロセスと展望
鯨 エマ
■受講を終えて
いい時期に受講できた……それにつきます。私事ですが、忙しさのあまり、目の前の公演をこなすことだけで、振り返る時間がなかったのですが、この講座を受けて、まず、座内ミーティングをするきっかけを得たことは最初の収穫でした。また講座の中でグループで話し合った時に、ほかの方から聞く迷いの言葉に共感し、挑戦からは勇気をもらいました。5回目の大澤先生の講座を欠席してしまったことが悔やまれますが、映像での配信など、丁寧なフォローがとても助かりました。これまで、活動には意欲があるのに、なぜかうまくいかない……ということの連続でした。受講したことで「勢いだけではダメ、止まって考えろ」、という戒められたようにも思います。下手な鉄砲は何回撃っても何にもあたりませんね。ありがとうございました。
■レポートタイトル
高齢者が主体的に取り組める全国シニア演劇大会を!
―2020年東京大会を、その後も元気に活動継続する起爆剤に―
後藤良基
■受講を終えて
ホールの慌ただしいオープンイヤーを乗り越え、浦安での2回目の夏が終わる頃、ふと自分の仕事に対する目標を見失いかけていることに気づきました。自分はどこに向かうべきか悩み始めたタイミングで、友人からの勧めがあり受講することになったのがこのアカデミーだったのです。そんな状況だったので、特に山元先生の自分の活動の方向性を見極めていくワークはとても刺激的でした。その後転職のお話を頂いた時にほぼ迷わずに決められたのも、ワークの中で自分の進みたい方向が明確になっていたからだと思います。また何より、自分と同じようにアートと社会の在り方について模索する仲間と出会えたことがこのアカデミーに参加して得られた最大の財産だと思います。最後に運営の皆様、いつも暖かくサポートしていただきましてありがとうございました。
■レポートタイトル
これからの社会により貢献できるクラシック業界を目指すために
坂本もも
■受講を終えて
アートという広いくくりの中で、普段は接点があまり持てない異業種の方と、近しい課題や同じような問題意識や新しい発見を共有することができて、とても刺激的でした。私がレポートのテーマに据えたことは、非常に個人的な感情から出発していて、公にすることを最初は躊躇しました。私のバックボーンに関わりのある人たちに、良くも悪くも言及せねばならないからです。しかし、そうやって抱え込むことで壊れていく制作者がいることも事実で、本当に小さな一歩から初めて見ようと思いこれを書きました。言葉にすることができて、少しだけ前進できたような気がします。ありがとうございました。
■レポートタイトル
誰も排除しない演劇を目指して
塩見直子
■受講を終えて
本講座では、初めて触れたことが多く、正直申して、最初の頃はあまり腑に落ちておらず、講座の内容と自分をどう繋げればよいのかと、戸惑うことの方が多かったです。ですが、ある時、様々な講座の内容で点と点だったことが一本の線で繋がり、ふと腑に落ちた瞬間がありました。その感覚を頼りにレポートをまとめてみましたが、ありきたりの内容に落ち着いてしまったな、というのが、実感です。ですが、そもそも公共劇場のあり方や取り組みは、どこでもある程度は似ていると思います。飛び抜けて新しい事を目指すのではなく、今あることを大事に見つめ直し、磨くべき事をきっちり磨く。本講座で、大事なことに気づかせて頂きました。そして、講師・運営チームの皆様、何より一緒に受講した皆様との時間や交わした言葉は、何ものにも代え難い経験です。ありがとうございました。
■レポートタイトル
穂の国とよはし芸術劇場のこれからを考える
―「人づくり」「場づくり」としての劇場―
鈴木加奈子
■受講を終えて
「気合いで何とかする!何とかなる!」というこれまでの仕事の取り組み方を何度となく反省する貴重な機会をいただきました。5回の濃密な講座を受講する中で、ヴィジョンを達成させるストーリーを描き、熱意と戦略をもって実践していかなければ!と肝に命じました。最も心に響いたのは「あなたがやりたいことで、誰もがすることは難しくて、みんなが求めていることを『仕事』にしなさい」という言葉。仕事の入魂度・モチベーションを一気に高めてくれる一言。芸術に関わる仕事を担っているからこそ、柔軟な発想力を持って、働く人もお客様も、関わる人全てが楽しめる組織でありたいと思いました。さまざまな分野から集まった刺激的な受講生の皆様とお会いできたのも視野を広めるチャンスとなりました。このような機会をいただき、ありがとうございました。
■レポートタイトル
コンテンポラリーダンス発信の場としての新たな挑戦
―「ダンサーとアーティストを繋ぐ真チング劇場」としての新施策―
髙原寛子
■受講を終えて
もしかしたら非営利事業の中でアートを語るための魔法の言葉があるのかもしれないと邪な期待を抱きながらこの講座に参加しましたが、ここで学んだことは、むしろオーソドックスなファンドレイジングのセオリーばかりで、課題解決型の活動か価値創出型の活動かなどという区分けはそれほど必要ではなく、大切なのはそれらをいかに自分の活動に引き寄せて考えるかなのだということに気づきました。4ヵ月共に過ごした受講生の皆さんは、アートという共通項がありながらも様々な活動をされていて、たくさんの刺激を頂き、講座に来るのが楽しみで仕方ありませんでした。そして、伊藤先生、若林先生、講師の先生方のあたたかな愛に包まれてとても幸せな4ヵ月でした。この貴重な機会を創り、運営してくださった関係者の皆様に心から感謝いたします。
■レポートタイトル
100年続く音楽祭を目指して
―草津夏季国際音楽アカデミー&フェスティヴァル40周年事業―
藤原佳奈
■受講を終えて
小さいながらも演劇の興行ではお金を扱っているのに、今のビジネスのお金のまわりかたのことも、ファンドレイジングのことも、あまりにも知らないことが多すぎる、ということを思った。マネジメントについては、からっきしセンスがないと自覚しているが、資金集めについてアイディアを出していくのは楽しそうだ、と思えたのが今回の大きな収穫だった。それは多分、講師の方たちが楽しそうに話していたからだと思う。“人との多様なつながりを作っていく”というキーワードをいただき、今回のアーツアカデミーでエネルギーと挑戦する勇気をいただいたので、直近のプロジェクトを急遽大改革しながら実践していくことができた。ここでアカデミーを受講していなかったら、思いついてもなかなか実行には移せていなかったと思う。感謝です。
■レポートタイトル
アーツアカデミーを経て考える、創客について
松浦 彩
■受講を終えて
ちょうどこの講座に応募した頃、仕事の進路について真剣に悩んでいました。本をたくさん読み、これまで取り組んできた仕事の内容とその位置付けを再確認する中、もっと学びが必要だと感じました。今回この講座に参加させていただき、これまでもやもやと気にはなっていたけれどもはっきり認識できていなかったことが言語化され、整理されたことは大きな収穫でした。また、それぞれの場で悩みながらも熱い思いで芸術文化創造活動に取り組む仲間たちとの出会いも、嬉しい出来事でした。ここで開いた一つの扉から、更に奥に分け入ることで可能性を広げていけたらと思います。
■レポートタイトル
私の思うこれからの美術館のあり方
馬淵宏真
■受講を終えて
文化芸術団体を運営面から下支えする者として、当初は自分が役員を務める音楽団体の課題解決のヒントを得ることを目標に当アカデミーに参加しました。ですが、講師や運営スタッフの皆さん、そしてクラスメイトの熱い思いに刺激されながらアカデミーでの4カ月間を過ごすうちに、その目標を大きく飛び越える戦略レポートを書くに至りました。この自分の中の変化は、アカデミーで同じ志を持つ多くの方々と化学反応を起こした結果だと思います。アカデミーが終わってしまうのは寂しいですが、ここで出会った方々とはこの先もずっと仲間でいられそうな気がしています。キャパシティビルディングはもちろん、毎回の白熱した議論、そして毎回の懇親会を通じて得た横のつながりは自分にとってとても貴重です。関わってくださった全ての方々に感謝いたします。
■レポートタイトル
アートプロボノ普及のための事業についての提言
―専門家が文化芸術団体をサポートしやすい社会の実現のために―
宮本晶子
■受講を終えて
このアカデミーを通じて、一歩踏み出すことの大切さを学んだこと、多くの考え、課題を持った仲間に出会えたことが何よりも収穫でした。分野を問わず、高い意識で臨んでいる受講生の方々、道を極めた講師の皆さんと議論したり、共有したりしたことで、これからの自分の活動について見つめ直し、進むことができたと思います。全く違う分野のことだと思っていた中に自分の探していた言葉があったり、光があったりと気づきの多い日々でした。講師の山元さんが教えてくださった言葉で「あなたがやりたいことで、誰もがすることは難しくて、みんなが求めていることを『仕事』にしなさい」というのがありました。この言葉が何をするにも力をくれます。ここで出会った言葉や仲間たちと『これから』を創っていけるように頑張りたいと思います。
■レポートタイトル
社会と共生する文化担い手になるには
吉村衣世
■受講を終えて
本講座はとても勉強になりました。第一回目、第二回目の山元さんの講座では、「これって誰かと共有できるものなのだろうか…」ともやもや抱えていたものが、とてもクリアに言語化していただいたように思います。三回目の若林さん、伊藤さんのお話は、新しい世界というか、組織を運営していく可能性がこんなにあるのかと、目からうろこでした。落合さんの「評価」の講座は、自分たちのものさしを誰かに伝えることを、誠意をもって取り組み続けるしかないと勇気をいただいたように思います。大澤さんの授業では、純粋な視点に立ち戻り、今回の講座を見直す時間となりました。普段の業務の中では出会えない人と一緒に講座を受講し、思考をめぐらし話し合えたことが、何よりもの収穫でした。
■レポートタイトル
実行委員会形式公演の可能性について
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